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 中国が南シナ海・南沙(スプラトリー)諸島で埋め立てを進めている問題で、6階建てほどの大規模な施設の建設や新たな場所での埋め立てがわかり、フィリピン政府が警戒を強めている。同政府は18日までに、常設仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)に約3千ページの追加の証拠書類を提出、法による解決を訴えた。

 フィリピン軍が1~2月に撮影し、今月議会関係者に配布された南沙・ガベン岩礁やクアテロン岩礁の写真には、複数のクレーンがたち並び、地上6階建てほどの大型施設の建設が進んでいる様子が写されていた。埋め立てはこれまでに確認された5カ所のほか、ミスチーフ礁とスビ礁の2カ所でも新たに発覚した。人工島の面積は計約100ヘクタールに及ぶという。

 比政府は「我々は民主的、平和的な解決手法を貫く」(コロマ大統領府報道官)とし、自国の主張を裏付ける地図などの追加資料を常設仲裁裁判所に提出した。裁判所は審理を進める意向だが、中国が参加を拒否しており、仲裁手続きは難航が予想されている。

 フィリピン側のこうした動きに対し、中国の王毅(ワンイー)外相は8日、「自国の島で必要な建設を行うことは法にかなっている」「自宅の敷地内での工事に人からあれこれ言われる筋合いはない」などと反論。一方で「南シナ海の航行の自由は守り、直接対話を通じて紛争を平和的に解決する」とも強調し、周辺国の懸念をかわす構えも見せている。(ハノイ=佐々木学、北京=倉重奈苗)