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 チュニジアの首都チュニスで18日、武装グループが国会議事堂近くにあるバルドー博物館を襲撃した。チュニジアのハビーブ・シド首相は、外国人観光客17人を含む19人が死亡したと発表した。武装グループは人質をとって一時立てこもったが、治安部隊の作戦で実行犯2人が殺害され、人質は解放された。AP通信によると、実行犯2、3人が逃亡中との情報もある。

 首相によると、死亡した外国人の国籍はイタリア、ポーランド、ドイツ、スペイン。また救出作戦で警察官1人が死亡した。

 負傷者は少なくとも22人。AFP通信によると、チュニジア保健相は負傷者に日本人が含まれていると語った。現地の病院関係者によると、日本人2人が負傷して病院に搬送され、1人は足に重傷を負っているという。日本大使館が確認を急いでいる。

 武装グループの素性は不明だが、外国人が集まる場所を狙う手法などからイスラム過激派の可能性がある。殺害された2人のほか、1人が逮捕された。実行犯は戦闘服を着て機関銃を持っていたという。米CNNは事件当時、約200人が現場にいたと報じた。現地メディアは約40人が人質となったと伝えた。

 バルドー博物館は市内中心部から西約5キロにあり、国会議事堂と隣接。チュニジア各地の古代ローマ期の遺跡から収集されたモザイク装飾が展示され、外国人にも人気の観光施設だ。

 チュニジアは、2011年に中東に広がった民主化運動「アラブの春」が最初に起きた国だ。同年にベンアリ独裁政権が倒れた。その後に民主化運動が起きたエジプトやリビアなどで混乱や内戦が続く中、チュニジアでは比較的順調に民主化が進んだ。昨年あった議会選では世俗派が躍進、大統領選でも世俗派政党の党首カイドセブシ氏が勝利した。今年発足した内閣にはイスラム政党からも加わった。欧米諸国からはアラブ諸国の民主化の模範と期待されている。

 その半面、独裁政権の崩壊後に国内のイスラム過激派が活動を活発化。若者を対象に過激思想を広めた。隣国リビアなどを経由してシリアやイラクに約3千人の戦闘員が送り込まれたと言われている。(カイロ=翁長忠雄)