[PR]

 島崎藤村や武者小路実篤、谷崎潤一郎といった日本の文豪らが、中国の著名な作家、周作人(しゅうさくじん)(1885~1967)に送った手紙やはがきなど1500点以上の資料が中国に存在することが分かった。周作人の遺族が北京の自宅で保管しており、公開に向けて準備を進めている。今回の発見をきっかけに、日本人が受け取った書簡類の発掘につながれば、周作人の人物像と業績に対する評価が大きく変わる可能性がある。

 20世紀初頭に日本に留学した周作人は、日本の各界の著名人の知己を得て、文通を続けていた。戦後、日本との関係などを批判され、文化大革命中には、北京の自宅にあった日本の作家、芸術家、政治家ら350人以上からの手紙約1千通、はがき約400通などが没収されたが、死後、遺族に返却されていた。

 「細雪」などで知られる谷崎が戦後、晩年になって送ったとみられる手紙(代筆)には「貴下様方も(中略)是非もう一度日本へお越し下さるやう、そしてああ云ふ不愉快な空気でなく、平和な空気の中で再会のよろこびを得たいと思ってをります」とある。

 資料を保管する孫の周吉宜氏(65)は、「手紙の送り主の家族の同意が得られれば、すべての資料を公表したい。歴史的に価値のあるものであり、日本や中国の学者が研究してくれることを望む」と話す。(北京=古谷浩一)

こんなニュースも