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 配達中に荷物を持ち去ったとして業務上横領罪に問われ、無罪判決が確定したアルバイト配達員の男性(27)=大阪市=が国やロッカーの管理会社、従業員に約930万円の損害賠償を求めた訴訟が27日、大阪地裁(森木田邦裕裁判長)で和解した。和解条項によると、国が解決金450万円を男性に支払い、男性は管理会社と従業員への請求を放棄する。

 訴状によると、男性は2011年6月、大阪市内のマンションで、荷物だった車のルームミラー1個を宅配ロッカーに届け、すぐに扉を開けて横領したとして逮捕・起訴された。しかし弁護側の調査で、宅配ロッカーに記録された荷物の出し入れ時刻が間違っていたことが判明。この誤った記録を証拠としていた検察側は12年7月の公判で自ら無罪を求め、地裁は無罪判決を言い渡した。男性は「ずさんな捜査で33日間も勾留された」として13年3月に提訴していた。

 男性は和解後、昨年秋ごろに捜査検事から直接謝罪を受けたことを明らかにしたうえで、「『やった』と決めつけず、二度と捜査を間違えないでほしい」と話した。大阪地検の北川健太郎・次席検事は「真摯(しんし)に受け止め、引き続き適正な検察権行使に努める」とコメントした。(阿部峻介)