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 千葉県がんセンター(千葉市中央区)で腹腔(ふくくう)鏡手術後に患者が死亡した11例を検証していた県の第三者検証委員会(会長=多田羅浩三・日本公衆衛生協会長)は30日、手術に伴うリスクを病院で共有する仕組みがなかったと結論づける報告書案を県に提出した。事前に安全性の検討が必要な難度の高い手術が倫理審査委員会に諮られず、担当医ら少人数で意思決定した点などが問題だと指摘した。

 報告書案は、日本外科学会の評価などを基にまとめられた。それによると、11事例中10例で事前検査や手術の技術、術後管理の判断面などに問題があったと指摘。難度が高く保険適用外の手術が少なくとも7例あったが、事前に安全性などを確認する倫理審査委員会に諮られなかったとした。また患者や家族への説明が不十分だった。

 再発防止策として、倫理審査や手術前の検討体制の強化などを提言。また、検証委は2007~13年度にセンターで行われた膵(すい)頭十二指腸を切除する腹腔鏡手術の死亡率は6・2%で、日本外科学会調査による平均2・5%より高く、センター内の開腹手術の約15倍だったことも明らかにした。

 矢島鉄也・県病院局長は記者会見し、「検証結果を真摯(しんし)に受け止め、再発防止策を講じ、安心安全な医療を提供できるようにしたい」と述べた。(土肥修一)