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 県議選の投開票が1週間後の「選挙サンデー」となった5日、各選挙区では候補者たちが遊説や集会に奔走した。県政の「百年に一度の大事業」として北陸新幹線が開業したばかりだが、速達型列車の新高岡駅停車の要望や広域観光への活用で市民運動も起きた高岡市では、同駅周辺に選挙カーの影は薄く、議論は低調との指摘もある。

 新幹線駅として高岡駅の1・5キロ南に整備された新高岡駅。開業以来、800台余の駐車場が連日満車状態だ。観光客の増加も見られる。5日夕、南口で街頭演説した野党候補は国民健康保険税や介護保険料、医療費などの問題を訴えたが、新幹線については「在来線や関西へのアクセスなどで問題はあるが、市民の期待は大きい」としてあえて触れなかった。

 「お祭り騒ぎはいつか冷める」。新高岡駅に近い市南部地区が地盤の与党会派の候補はそう指摘する。

 「どの候補者も新幹線効果を期待するが、問題は新高岡駅で下車した客が実際に私たちのまちで買い物をしてくれるかどうかだ」とし、東京と地方、県都と高岡、市中心部と地域の格差を埋めていく「具体策」が必要だと話す。だが、有権者の関心がさほど高まっているようにはみえず、街頭などでは開業効果を訴える程度にとどめているという。

 同市選挙区は定数7を1人上回る選挙戦となったが、旧市街地中心部が地盤の与党候補陣営の幹部は「新幹線開業までの盛り上がりが選挙につながらない。あてが外れた」。選挙戦での新幹線論議は全体に低調だとして、新高岡駅周辺での遊説などの予定はない。前回53%だった投票率も今回初めて40%台に落ち込むのは確実との見方が広がっている。

 「東京は2020年五輪に向け、バブル経済状態になっていく。新幹線による取り組みで何とかその活気を取り込みたい。高岡が元気にならないと富山県の発展はない」

 市街地西部の若手候補は事務所に集まった支持者らに訴えたが、町内で立体化が完成した道路の活用や大型店対策なども強調した。新駅周辺での遊説などは予定していない。

 ある野党候補は「在来線の安全性を確保しバス路線を拡充させるべきだ」と話すが、パンフなどでは「公共事業への出費で抑制されてきた2次交通や福祉対策の充実を」などの訴えが中心となっているという。

 県議選での論議について高橋正樹市長は「新幹線開業後、高岡は次の方向性が問われている。市も県と取り組むが、ポスト新幹線のありようを探る上で力になってもらえる方に頑張っていただきたい」と話す。(吉川喬、八田伸拓)