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 年間売上高17兆円を超えるIT界の巨人、米アップルが時計界にやってくる。通信機能を持つスマートウォッチ「アップルウォッチ」の国内予約が10日午後、始まる。呼応するように、高級時計を扱う有名ブランドもスマートウォッチを手がけだした。各社は時計にどんな夢を見るのか。

 時計伝統国スイス北部の都市バーゼル。毎年3月、世界最大級の時計と宝飾品の展示会「バーゼルワールド」が開かれ、ロレックスやシャネルといった有名ブランドのブースが華やかに並ぶ。

 今年はその会場に異変があった。

 入り口すぐの一等地にあるスイス製高級時計「タグ・ホイヤー」のブース。壁面を覆っていた布が、開幕日に取り払われた。現れたのは検索大手「Google」と、半導体最大手「intel」の文字。ブース前の人だかりから歓声が沸いた。並んで掲げられたロゴを前に、3社の幹部たちも笑顔を浮かべた。スマートウォッチを共同開発し、年内にも発表するという。

 グーグル側の責任者は提携の狙いを「製品を高級品市場に提供できる」と明かした。ITジャーナリストの神田敏晶氏は、先駆となったアップルウォッチの射程も「健康」と「高級品」の市場開拓にある、とみる。

 常に腕に巻くことで心拍数や運動量などの変化を記録し、データ管理できる。「そうした『人間情報』の市場は可能性がある。例えば、国民皆保険制度のない米国などでは、医療保険料の交渉に健康データが役立つかもしれない」。そして「健康」に投資する層に訴えるには「高級感」が必須だ。「スーツに合うデザイン性も求められる」

 機械式時計を愛好するイタリア人の男性(22)は会場でIT企業のロゴを見上げ、つぶやいた。「アップルの衝撃だ。有名ブランドもスマートウォッチに参入せざるを得なくなった」

 時計業界はかつて、技術革新による激変を経験したことがある。1970年代にクオーツ時計が普及すると、瞬く間にスイスの機械式時計が駆逐された。当時と似たような大きな波がやってきたのだ。

 潮流に乗ろうと、他にもいくつかの高級ブランドがIT企業と手を結んだ。

 グッチは、人気ミュージャンのウィル・アイ・アム氏が手がけるIT企業「アイ・アム・プラス」社と提携。グッチ時計部門の責任者は「ファッションアイテムとしても通用する商品展開をめざす」と宣言する。

 ブルガリは「インテリジェントウォッチ」と名付ける試作品を公開した。セキュリティー大手と提携し、高級時計に銀行などのパスワードを管理するICチップを埋め込んだ。「セキュリティーも高級感の一つ」という考え方だ。

 日本の時計ブランドは、表だっ…

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