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 東京都文京区のホテル椿山荘東京で指し継がれていた第73期将棋名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛)の第1局は9日午後5時52分、羽生善治(はぶよしはる)名人(44)が挑戦者の行方尚史(なめかたひさし)八段(41)に60手で勝ち、歴代単独3位となる9期目の名人位獲得に向けて好スタートを切った。持ち時間各9時間のうち、残りは先手番の行方挑戦者が29分、羽生名人が1時間38分。第2局は22、23日、岐阜県高山市で。

 力と力が正面からぶつかり合う「相矢倉戦」になった開幕局。名人初挑戦の行方挑戦者が序盤から積極的に動いたが、手厚く構えた羽生名人が崩れず、終盤の攻め合いを制した。

 互いに玉の守りが不十分なまま小競り合いが続き、本格的な戦いになったのは2日目午後に入ってから。名人は守りの金を移動させて中央を手厚くし、相手にプレッシャーをかけた。挑戦者が働きの悪かった右銀の活用を図って動いたのをきっかけに、一気に斬り合いに突入。その中で銀を1枚得した名人が優位に立ち、挑戦者に粘る余地を与えず押し切った。夕方の休憩前の早い投了となった。60手は、名人戦七番勝負史上最短の決着。

 副立会人で解説の広瀬章人八段は「挑戦者の作戦に柔軟に対応した名人の懐の深さが光りました」と話した。(深松真司)

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