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 人形美術家で人形アニメーション作家の川本喜八郎さん(1925~2010)の著書「チェコ手紙&チェコ日記 人形アニメーションへの旅/魂を求めて」(2015年1月刊/作品社)を読んでいたら、蘇東坡の詩が出てきました。

 廬山は煙雨 浙江は潮

 到らずんば千盤の恨みを生ず(消せず)

 到り得、帰り来れば別事なし

 廬山は煙雨 浙江は潮

 ハテどこかで読んだ気が……と思い悩むこと数日、川本先生の1973年の切り紙アニメ「旅」に出てきたものだと分かりました。いやー、ボケてますな。

 上記の著作に記した川本先生の解釈は、こうです。「行きたい行きたいと思っていた所へ行かなければ、それを死ぬまで悔いるだろう。そして行きたいと思った所へ行き、帰って来てみれば、依然として物事は何も変わっていない。しかし、自分は既に前の自分とは違っている」

 「別事なし」の奥に、すっきりした心情の変化、悟りのように澄み切った境地を読み取ることが出来れば、天下の名勝奇観をうたった1行目と4行目の同じ文言が違った響きを持つはずでありましょう……というのは私なりに付け加えてみた解釈です。

 弟子でもないしアニメ作家でもない私がなぜ川本さんを「先生」と呼ぶのかは、2010年9月6日の本欄「やれるのは、来世かな」をご覧いただくとして、3月28日に東京の国立近代美術館フィルムセンターで「川本喜八郎生誕90年記念上映 フィルムで見る川本アニメーション作品鑑賞会」が開催されるというので、「研究目的・一般非公開」というその上映会を取材させていただきました。

 小坊主のだらしない酔いっぷり…

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