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 将棋のプロ棋士とコンピューターソフトの五番勝負「電王戦FINAL(ファイナル)」の最終第5局が11日、東京・千駄ケ谷の将棋会館で指され、阿久津主税(あくつちから)八段(32)がソフト「AWAKE(アウェイク)」に勝ち、棋士側が通算3勝2敗で初の団体勝利を果たした。棋士側はこれまで2年連続でソフトに負け越しており、最後となる今回、意地を見せ、「3年連続敗北」の屈辱を免れた。

 棋士側の2連勝のあと2連敗で迎えた最終局。名人挑戦権を争うトップリーグのA級順位戦に在籍していた阿久津八段が序盤、AWAKE相手に有力と見られていた作戦を採用したところ、開発者の巨瀬(こせ)亮一さんが突然、投了を告げた。持ち時間は各5時間で、対局は夜まで続くとみられていたが、午前10時の開始からわずか49分、21手で終局となった。

 棋士5人と五つのソフトが戦う団体戦形式の電王戦は一昨年始まり、過去2回はソフト側が3勝1敗1分け、4勝1敗と棋士側を圧倒し、勝ち越していた。

 雪辱を果たしたい今回、日本将棋連盟はコンピューターの扱いに慣れた20~30代の若手強豪を選抜し、半年かけて入念に対策を練ってきた。ソフトが王手を放置して反則負けするハプニングもあり、棋士側が開幕2連勝。その後、連敗してタイに追いつかれたが、最後は棋士が意地を見せた。

 阿久津八段は「投了は少し早いと思ったが、形勢が良くなるとは思っていた。人間相手にはやらない作戦なので(採用することに)葛藤もあった」と話した。

 巨瀬さんは「この形に誘導されると不利になるのは分かっていて、投了しようと思っていた。勝ち自体にはそんなにこだわっていなかった」と話した。(村瀬信也、深松真司)