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 プロ野球観戦中にファウルボールが当たって右目を失明した女性(36)が球団などに損害賠償を求めた訴訟で、原告勝訴の判決が出た。臨場感と安全性。どう折り合いをつけるべきか。

「避けられぬ」日本ハム側敗訴

 札幌地裁は先月26日の判決で、試合主催者の北海道日本ハムファイターズと札幌ドームなどに治療費や慰謝料など計約4200万円の支払いを命じた。

 判決によると、女性は2010年8月、夫や子どもらと札幌ドームの一塁側内野席の前から10列目で観戦中の三回裏、ライナー性のファウルボールが女性の顔面を直撃。防球ネットは06年に撤去されていた。

 訴訟で球団側は「打球を見ていれば避けられた」などと主張したが、判決は、打球は約2秒で飛来し「見ていても避けられなかった可能性も高い」と、女性に過失はないと結論づけた。日本ハムなどは「野球界全体に及ぼす影響も考えられる」として控訴した。

 原告側弁護士によると、プロ野球の打球が観客に当たった事故で観客側の請求が認められたのは初めて。楽天の試合での同種事故をめぐる訴訟で仙台地裁は11年、「過剰な安全施設は観戦の魅力を減殺しかねない」として観客側の訴えを退け、仙台高裁も支持した。阪神甲子園球場(兵庫県)で折れたバットが当たり負傷した事故でも、観客側の訴えは棄却された。

 他球団も今回の判決に困惑気味で、ある球団幹部は「100%安全にというなら、全観客席にネットが必要になる」。別の球団幹部は「ファンは臨場感を求めている。(判決は)現代のスポーツ観戦の流れに逆行する」と話す。

迫力演出の席、導入相次ぐ

 確かに、近年はファウルゾーンにせり出した席を導入する球場が相次ぎ、人気だ。横浜スタジアムの「エキサイティング・シート」、札幌ドームの「フィールドシート」など。危険性も増すため、ヘルメットを用意するなどの安全対策を取っている例が多く、札幌ドームもこの席にはネットがある。

 観客に打球が当たる事故は、札幌ドームで軽傷を含め年間約100件。中日の主催試合では昨年120件起き、ほとんどが軽傷で済んだが、骨折と縫合が必要なけがが計9件、顔に当たり視力が低下した例が1件。治療費は球団が実費負担しているという。

 高校野球では01年夏、甲子園…

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