【動画】くじ引きで熊本市議が決定=森田岳穂撮影
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 12日に投開票された統一地方選前半戦の熊本市議選(定数48)で、南区(定数8)の最後の1議席をめぐり、得票が同数だった現職候補2人によるくじ引きが14日、区役所であり、当選者が民主の田辺正信氏(64)に決まった。得票8位に田辺氏と無所属の田中誠一氏(69)が4515票で並び、当選者が決まっていなかった。くじ引きをした2人はともに「一票の重みを感じた」と話した。

 午後3時から区役所の会議室で選挙会が開かれ、両氏とも緊張した様子で出席した。「普段はくじ運が悪い」と言う田辺氏は区役所に来る前に、地元の神社に寄って必勝祈願。田中氏は「家の神様と仏様」にお願いしてきたという。

 市選管によると、公職選挙法では、得票数が同じときは当選者を「くじで定める」とされているが、くじ引きの方法は示されていない。今回のくじ引きは、1~10の数字が振られた棒を順番に引き、小さい数を引いた方を当選とする方式で行われた。千葉県長南町や長野県高森町の規定などで定められていたのを参考にしたという。

 予備抽選で決めた順に従い、田辺氏が先に引くと数字は「3」。田辺氏が有利な数字にも笑顔も見せず見守るなか、続いて引いた田中氏の数字は「10」。当選者が決まった後も田辺氏は表情を変えず、田中氏は苦笑いした。

 田辺氏は「支援者の応援に応えられるという気持ちでいっぱい。ただ、4年間、議員の道を絶たれた相手のことを考えると、単純に喜んではいけない」。一方の田中氏は「くじ運が悪かったということ。一生懸命、支援いただいた皆さんにおわびの言葉しかない」と悔しさをにじませた。(成田太昭、森田岳穂)

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