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 北海道様似町の平宇海岸に体長約5メートルのクジラが漂着し、15日、ハクジラの仲間の希少種「ハッブスオウギハクジラ」のオスの成獣と確認された。北海道大大学院水産科学研究院の松石隆准教授によると、ハッブスオウギハクジラの漂着は国内で18例目、北海道で5例目。生きた状態での漂着は2005年10月の神奈川県二宮町に次いで2例目という。

 14日午前9時45分ごろ、「波打ち際にクジラが打ち寄せられている」と浦河署様似駐在所に通報があった。クジラは当初わずかに息をしていたが、まもなく動かなくなったという。

 連絡を受けた町が、クジラやイルカの漂着情報を集めている「ストランディングネットワーク北海道」の代表でもある松石准教授に画像を送った。15日朝から松石准教授のほか、帯広畜産大、愛媛大、国立科学博物館など道内外から駆けつけた研究者らが、死んだクジラを解剖し、研究材料として臓器の標本を採取。骨格は帯広畜産大で処理した後、同博物館に寄贈されるという。

 松石准教授によると、ハッブスオウギハクジラは北太平洋に生息し、北米西海岸と日本の関東以北の太平洋岸で漂着事例はあるが、生態はほとんど知られていないという。松石准教授は「死後まもないので標本の価値は高い。今後の鯨類研究に生かし、希少鯨類の保全、鯨類と漁業の共存に寄与したい」と話した。(深沢博)