【動画】再開した広島空港=熊倉隆広撮影
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 25人が負傷した韓国・アシアナ航空機の事故で滑走路が閉鎖されていた広島空港は17日、3日ぶりに再開した。大破したまま草地に残された事故機の横を全日空や日本航空の航空機が次々に離着陸した。当面は通常より離着陸の条件を厳しくし、悪天候時は運用をやめる。

 国内線は48便が発着し、機材繰りの関係などで4便が欠航。国際線は8便のうち6便が欠航した。

 国土交通省は16日夕までに、破損した計器着陸装置(ILS)の設備や機体の破片などを滑走路上から撤去。傷ついた滑走路の一部を補修した。事故機は移動させなくても離着陸が可能と判断した。担当者は「地元と乗客のため、暫定的にでも早く再開させた」と話す。

 滑走路の近くに機体が残っているため、当面は視界が5千メートル以上確保できることなどを離着陸できる条件とする。事故前はILSの電波で精密な誘導を受けられる西側から進入する場合は視界が50メートル以上、精密誘導を受けられない東側からの場合でも1600メートル以上あれば着陸可能だった。滑走路の東側の進入灯は65個のうち17個が壊れたため、誤認しないよう消灯する。

 このため霧の出やすい広島空港では「何割飛べるかは天気次第」(国交省)。1カ月後をめどに、視界が550メートル以上あれば着陸できる仮設のILSを設ける。完全復旧には7~8カ月かかる見込みだ。夜間は事故機をスポットライトで照らしてパイロットから見えるようにする。

 太田昭宏国土交通相は17日の閣議後会見で、アシアナ航空に原因究明と再発防止を指示し、韓国の航空当局に適切な監督を要請したと明らかにした。広島空港の再開については「利用者には不便を掛けるが、全面復旧に向けて全力を挙げたい」と話した。

 事故機を製造したエアバスの本社があるフランスの航空事故調査局の調査官1人と同社関係者3人が17日、日本の運輸安全委員会の航空事故調査官や韓国国土交通省の事故調査官らと合同で現場の調査を始めた。事故機の機体などを調査するという。(工藤隆治、高島曜介)