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 国立がん研究センターは20日、胃がん検診ガイドラインの更新版を公表した。市区町村が実施する胃がん検診に、初めて内視鏡検査を推奨した。内視鏡検査の対象は、がんのリスクが高まる50歳以上が望ましく、受ける間隔は2~3年でもよいとしている。

 ガイドラインは、同センターの斎藤博・検診研究部長を主任研究者とする研究班が国内外の最新の研究報告をもとにまとめた。前回の2005年度版では、バリウムを飲むX線検査のみが推奨され、内視鏡を口や鼻から入れて胃の中を調べる内視鏡検査は「死亡率減少の効果の有無を判断する証拠が不十分」とされていた。

 今回、X線検査と並んで内視鏡検査が推奨された根拠の一つは、13年に報告された韓国での胃がん検診の効果に関する20万人規模の調査結果。X線検査と内視鏡検査で、死亡率減少の効果が認められたという。

 国立がん研究センターのガイドラインは学術的な提言。市区町村の胃がん検診に内視鏡検査を導入するかどうかは、厚生労働省の検討会で議論されている。全面的に導入するには、担当できる医師が足りないことや検査費用がかさむことなどの課題がある。今夏をめどに方針を決める予定。

 現在の市区町村の胃がん検診は、厚労省の指針に基づいて、40歳以上の住民を対象にX線検査を年1回実施している。独自に内視鏡検査を導入している自治体もある。(編集委員・浅井文和)