[PR]

 人形の中から小さな人形が出てくるロシアの民芸品マトリョーシカを、奈良を題材にして作ってみよう――。そんなユニークな作品を集めた展示会が奈良市西寺林町のギャラリー「ギャルリ・サンク」で開かれている。

 展示会はギャルリ・サンクのオーナー高市俊子さん(59)と、奈良市のパステル画家大八木けいこさんが企画した。奈良や大阪、東京の作家約20人が作った40点ほどが並ぶ。

 奈良市のイラストレーター上村恭子(うえむらやすこ)さん(37)は古事記の世界を表現した「天孫降臨マトリョーシカ」を制作。須佐之男命(すさのおのみこと)と、天照大神(あまてらすおおみかみ)が描かれた16センチほどの人形をパカッと開けると孫にあたる邇々芸命(ににぎのみこと)の人形が登場する。反対の面には妻の木花之佐久夜毘売(このはなのさくやびめ)の姿が。その中には子どもにあたる火遠理命(ほをりのみこと)と、結婚相手の豊玉毘売(とよたまびめ)が描かれた人形が入っており、もう一層を経て、最後は4センチの神倭伊波礼毘古命(かむやまといわれびこのみこと)が出てくる。

 タイトルもひとひねり。東大寺の大仏や興福寺の阿修羅像が描かれたのは「マトリョーシャカ」、奈良公園の鹿を描いた作品は「マトリョー鹿」だ。

 針金などで作った白いそうめんの中から抹茶色や桜色のそうめんが出てくる「素麺(そうめん)マトリョーシカ大和四季の風」は、手製の箱も作品の一部。箱には「栄養分析表」が書かれており、「奈良成分98g」「マトリョーシカらしさ0・02g」と細部まで作り込まれた力作だ。前方後円墳を全面にあしらった華やかな作品も。

 高市さんは「奈良の文化を最大限に引き出した作品ばかり。展示会を機にその魅力を身近に感じてもらいたい」と話す。

 入場無料で10日まで。開廊時間は正午~午後7時(最終日は午後5時)。作品は買うことができる。問い合わせはギャルリ・サンク(0742・31・8029)へ。(浦島千佳)