[PR]

 絶滅が危惧されているアジア系のコククジラが今春、新潟県長岡市寺泊の日本海沿岸に現れた。寺泊沿岸では昨春、日本海側で初めて確認されており、同じ個体とみられる。国立科学博物館の山田格名誉研究員は「アジア系のコククジラの生態はほとんど分かっていない。日本海沿岸が回遊ルートの一つになっている可能性がある」と指摘する。

 寺泊水族博物館によると、コククジラは3月31日に職員が寺泊沿岸で見つけ、胸びれや体の模様から、昨年と同じ個体と確認した。体長10~12メートルで、年齢と性別は不明。4月10日を最後にいなくなったが、11~21日にかけて寺泊から70キロほど北の胎内市沿岸で再びコククジラとみられるクジラが目撃されたという。

 コククジラは陸地に沿って回遊し、アジア大陸沿岸で生息するアジア系は150頭ほどで、国際自然保護連合のレッドリストで絶滅寸前に指定されている。夏場にオホーツク海で過ごす以外、生態は、ほぼ不明。山田名誉研究員は「北に戻る途中だろう。オホーツク海を調査している研究者と情報交換して、現地でもこの個体を特定したい」と話している。(伊丹和弘