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 いつ、誰が、何のために飛ばしたのか。国の中枢である首相官邸の屋上で22日、小型無人飛行機(ドローン)が見つかった。鳥のような視点で、人が立ち入れない災害現場や観光地を自由に撮影できる便利さ、新鮮さもあり、ドローンは人気が急上昇。政府は飛行ルールなどの規制を検討している。

 ドローンは、首相官邸の屋上にあるヘリポート近くで見つかった。22日午前11時半ごろ、官邸3階のエントランスには、記者やカメラマンが慌ただしく出入りし始め、半透明のガラス天井越しには、警視庁の捜査員らが動く影が透けて見えた。上空では報道各社のヘリが旋回。捜査員がブルーシートでドローンを覆った。「確認中としか答えられない」。官邸事務所のスタッフは正午前、朝日新聞の電話取材にこう答えた。政府高官は記者団にテロの可能性を問われ、「まだ分かりません」と答えた。

 東京・新宿の大手家電量販店には、カメラ付きのドローンが10種類ほど並ぶ。1週間前、カメラコーナーの目立つ一角に、専門コーナーが急きょ設けられた。

 価格は約1万~15万6千円。一番大きい商品でも全長30~40センチ、重さ1・2キロほどで、最軽量の商品は約55グラムだ。売り場の男性店員によると、1日10人前後が購入するといい、「勢いのある商品です」。主力は2万円台の機種だが、より高性能な10万円以上のものを選ぶ客も少なくないという。

 販売は1年前からしていたが、全地球測位システム(GPS)付きの本格的なものが中心で、目立たない場所に数台並んでいただけだった。しかし、ラジコンヘリのように手動で手軽に扱える低価格の商品が出回り始め、ネット上で評判が広まってここ1カ月で問い合わせが急増。急きょ種類を増やした。

 売り場で説明書を読んでいた東京都板橋区の男性会社員(42)は、2台目の購入を考えているという。元々ラジコンヘリの愛好家で、1台目は3万円台を購入した。公衆無線LAN(WiFi)を使い、動画をスマートフォンにリアルタイムで送信できるタイプ。「川や田んぼを、空から見られる。もっと性能が良い商品を買うつもりです」

 記者は、一番売れ行きが良いというドローン「GALAXY VISITOR6」(中国製、2万7864円)を購入し、飛ばしてみた。全長約24センチ重さ115グラム。コントローラーのレバーを上昇方向に上げると、四つのプロペラが勢いよく回り始め、音を立てて浮上した。操縦しながら撮影された映像をリアルタイムに手元のスマートフォンに送ることができる。レバー操作で上昇、下降を繰り返してみる。思いのほか簡単だ。もう一つのレバーで右旋回、左旋回を試みると、右に倒しすぎたのか、勢いよく右に旋回。慌てて方向を変えたが、木の枝にひっかかり墜落。プロペラの一つが破損し、飛べなくなってしまった。

 ドローンはこれまで海外製品が主力だったが、国産機の製造も始まっている。精密部品大手の菊池製作所(東京都八王子市)が製造した量産機は、直径102センチ、重さ3キロ。秒速4メートルの速さで飛び、GPSを使いながら自動操縦で10~30分ほど飛べる。価格は約200万~300万円。これまでに約50機がインフラを点検する空撮用などに販売された。開発した自律制御システム研究所(千葉市)の野波健蔵社長(千葉大特別教授)は、「悪質な行為で、開発に水を差された思いだ。正しく使えばこれほど便利なものはない」と話した。

警備・宅配…広がる用途

 ドローンは様々な分野で注目されている。

 2014年9月の御嶽山噴火。…

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