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 就職活動での企業選びに何を基準に選んでいますか? 昭和女子大学女性文化研究所では、「女子学生のための優良企業ランキング」を作成しています。ランキングを作った狙いや活用方法などを同研究所の森ます美教授に聞きました。

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 ――ランキングを作成しようとした狙いは。

 「大きく二つあります。一つは、名前の通った大企業ではなく中堅・中小企業や、一般消費者を相手にする企業ではない、企業間取引を商売にするBtoB企業のなかにも優良企業があることを紹介することです。また、自分で企業研究したいときに何を視点として持つべきかを学生に提供するのも狙いの一つです」

 「大学ではキャリア教育や就活支援をしていますが、学生にとっては、『内定を取ったら終わり』ではありません。その先どう働き続けるかが問題で、企業を選ぶ視点、基準を示したかったのです。大学にとっては、学生を採用していただく企業を格付けするので、多少のリスクがあることは覚悟したうえで、あえて提示しました」

 ――ランキングの特徴を教えて下さい。

 「各企業を『女性が継続して働き続けられるか』『キャリアアップできるか』などの視点で、女性の勤続年数、有休取得率、管理職の女性比率など16項目=表参照=をもとに評価し、業界ごとのランキングを作りました。データは東洋経済新報社の『CSR企業総覧』を利用し、客観的で再現性のあるものにしています。その上で、女子学生のめざすタイプ別に3種類のお薦め企業を作成しました。ランキングは現在8業界まであり、6月に10業界まで増えます」

 ――3種類のタイプとはどのようなものですか。

 「企業で女性が長い期間働いているか、就学前の小さい子どもを持つ男女社員にフレンドリーな制度はあるか、といった『就業継続・WLB(ワーク・ライフ・バランス)』指標と、女性がキャリアを伸ばせる制度が充実しているかなどの『キャリア・FW(フレキシブルワーク)』指標の二つを組み合わせて分類しました」

 「一つ目は、WLBとFWで“いきいきキャリアウーマン”タイプです。『就業継続・WLB』指標と『キャリア・FW』指標がともに高い企業を選んでいます。チャレンジ志向の女子学生にお薦めです。二つ目は、バリバリ仕事がしたい学生のための“バリキャリ追求”タイプ。管理職の女性比率や女性の定着率、フレックスタイム制度の有無などを示す『キャリア・FW』指標は業界の平均水準以上の企業です。三つ目が、就業継続に重点をおいた“WLB重視”タイプです。『就業継続・WLB』は業界水準を上回っているが、『キャリア・FW』指標は業界の平均を下回っている企業です。出産・育児を経て長く働き続けたい学生向けです。

 ――3タイプに分けたのはなぜですか。

 現場で学生を教えていて分かるのは、『絶対管理職になりたい』という学生もいれば、『3~4年働いたら結婚して子どもを産みたい』という学生もいる。学生は多様でひとくくりにはできないからです。もっとも、専業主婦志向は減っています」

 ――こうした企業グループは女子学生向けですが、男子学生はどう見たらいいのでしょうか。

 「男女問わずWLBは働く上で重要な条件です。男性の働き方も変えていかなければなりません。男子学生が働く上でも参考になります」

 ――ここにあげられている企業以外に、自分で気になる企業を調べる時には、どう調べたらいいでしょうか。

 「大学の図書館やキャリア支援センターには『CSR企業総覧』や『就職四季報』などがあると思います。それぞれの企業の女性の勤続年数や男性育休取得者の有無などを調べるといいと思います。また、公式ホームページで女性社員向けの施策で何をしているのか示している企業もあります。これも企業選びの参考になりますのでぜひ見て下さい」

――就職活動をする学生に一言お願いします。

 「ぜひ自信を持って取り組んで下さい。みなさんは大学生活の4年間に時間とエネルギー、お金(学費)を投入しています。就職の採用選考は、大学入学後に身につけた力や成長した姿を試される機会です。SPI(総合適性検査)のような試験も重要ですが、企業が見ているのは人柄、人間力です。どう働きたいか、どう生きていきたいか目標をたてて企業を選択して下さい」

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もり・ますみ 昭和女子大学人間社会学部教授。専門は社会政策、労働とジェンダー。同大キャリア支援部長。(内海智裕)

女子大生のための優良企業ランキングの評価項目

【就業継続・WLB指標】

①女性の平均勤続年数

②平均勤続年数の男女差

③40代と30代の男女計に占める女性比率の差

④有休得率

⑤3歳以上~就学前の子を持つ社員の短時間勤務制度の有無

⑥同上の社員のフレックスタイム制度の有無

⑦同上の社員の育児サービス費用補助制度の有無

【キャリア・FW指標】

⑧管理職女性比率

⑨うち部長職以上の女性比率

⑩役員女性比率

⑪中途採用大卒・修士以上女性比率

⑫女性定着率

⑬男性育休取得者の有無

⑭多様な人材活用部署の有無

⑮フレックスタイム制度の有無

⑯FA制度(社内公募制度)の有無

「いきいきキャリアウーマンタイプ」

みずほフィナンシャルグループ、スルガ銀行、三井住友フィナンシャルグループ

八千代銀行、百十四銀行、ベネッセホールディングス

イーピーエス(現・EPSホールディングス)、電通、日本工営、高島屋、イオン

三越伊勢丹ホールディングス、J.フロント リテイリング、アスクル

ニッセンホールディングス、資生堂、富士フイルムホールディングス

三菱ケミカルホールディングス、ライオン、旭化成、三井化学、住友化学

リクルートホールディングス、日立ソリューションズ、ヤフー、日本ユニシス、KDDI

NTTデータ、サントリーホールディングス、味の素、キリンホールディングス、JT

アサヒグループホールディングス、三菱商事、丸紅、モスフードサービス、三井物産

豊田通商、双日、日産自動車、川崎重工業、アイシン精機

「バリキャリ追求タイプ」

りそなホールディングス、みちのく銀行、三菱UFJフィナンシャル・グループ

滋賀銀行、アイエスエフネット、リゾートトラスト、イナリサーチ、クオール、千趣会

ローソン、セブン&アイ・ホールディングス、良品計画、シーボン

ポーラ・オルビスホールディングス、ファンケル、日本色材工業研究所、花王

積水化成品工業、インフォメーション・ディベロップメント、NTTドコモ

AOI Pro.、SCSK、NECソフト(現・NECソリューションイノベータ)

グリー、カルビー、塩水港精糖

サッポロホールディングス、モロゾフ、ヤクルト本社、シャルレ、サンリオ

五洋インテックス、日本出版販売(日販)、タチエス、マツダ、デンソー、トヨタ自動車

大同メタル工業、いすゞ自動車

「WLB重視タイプ」

七十七銀行、熊本ファミリー銀行(現・熊本銀行)、百五銀行、八十二銀行、シイエム・シイ

ダスキン、ニチゾウテック、西菱電機、NECフィールディング

Olympicグループ、ユニーグループ・ホールディングス、丸井グループ

クラレ、第一工業製薬、クレハ、JSR、三菱ガス化学、日本電信電話、三菱総合研究所

日立システムズ、日本配合飼料、森永製菓、J―オイルミルズ、雪印メグミルク

ハウス食品グループ本社、日立ハイテクノロジーズ、伊藤忠商事、住友商事、極東貿易

蝶理、ケーヒン、安永、富士重工業、日野自動車