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 統一地方選後半戦の6市長選と16市議選(総定数378)、4町議選(総定数48)、欠員に伴う泉佐野市議補選(被選挙数1)が26日に投開票された。このうち吹田、寝屋川、八尾の3市長選はいずれも大阪維新の会が推薦する候補が敗れた。

吹田市

 無所属4人が争った吹田市長選は、新顔で元市部長の後藤圭二氏(57)=自民、公明推薦=が、現職の井上哲也氏(58)=大阪維新の会推薦=の再選を阻み、初当選を果たした。

 後藤氏の「当選確実」の速報がテレビで流れると、事務所内は大きな歓声に包まれた。万歳をした後、後藤氏は「私は政治は素人。一生懸命に訴えたことが伝わったのだと思う。謙虚な姿勢で市政運営に取り組みたい」と決意を述べた。

 選挙中は井上氏による行財政改革に対し、「高齢者の福祉など様々な市民サービスを、現場の声を聞かずに切った」と厳しく批判。大阪都構想についても「(いずれは)吹田市が吹田区になり、行政レベルが下がる危険性がある」と反対姿勢を明確にした。

 一方の井上氏は、府内初の維新系市長として注目を集めたが、後援会社との問題で維新を離党。今回の市長選では無所属で出たが、維新の松井一郎幹事長らが応援に駆けつけた。落選を受け、「痛みを伴う改革の必要性について市民の理解を得られなかったのが敗因だと思う」と述べた。

 次点の元職、阪口善雄氏(66)=民主、社民推薦=は「900票差は諦めきれない数字」と悔しさをにじませた。元市議で新顔の山口克也氏(51)は市民病院の移転中止などを訴えたが、届かなかった。(大部俊哉)

寝屋川市

 無所属新顔3氏の争いとなった寝屋川市長選は、元府議の北川法夫氏(66)=自民推薦=が、元市議の南部創氏(51)と、元市議の宮本正一氏(47)=大阪維新の会推薦=を破り、初当選を果たした。

 当選が決まった北川氏は、事務所で支持者らの拍手に笑顔で応えた。「子育て支援の充実など市民の暮らしを良くする施策に取り組む」と抱負を語った。

 4期目の馬場好弘市長が立候補を見送り、激戦となった今回の選挙。北川氏は「40億円をかけて空室の多い市営住宅を建て替えようとしている」と現市政を批判。建て替え事業の見直しや国民健康保険料の値下げなどを訴え、支持を広げた。反維新の共産党からも支援を受けた。

 南部氏は現市政の継承を掲げ、「京阪新駅」構想などを訴えたが落選。支持者らに「非常に接戦で悔しい」と話し、肩を落とした。宮本氏も馬場市長の路線を引き継ぐとした上で、市長報酬削減や住環境の整備などを訴えたが、及ばなかった。(中島嘉克)

八尾市

 八尾市長選は無所属同士の一騎打ちとなり、現職の田中誠太氏(58)=自民、民主、公明、社民推薦=が、新顔で元市議の大松桂右氏(45)=次世代、大阪維新の会推薦=を破って3選を果たした。

 当選確実の一報を受け、事務所前に姿を現した田中氏は、集まった支持者らに拍手で迎えられた。「厳しい戦いだった。8年の実績を認めて頂いた。市民と一緒に八尾の街をつくっていきたい」と述べた。選挙では行財政改革など2期務めた実績を強調。幅広い支持を得た。

 大松氏は、子育て支援の充実や「身を切る改革」として、市のごみ収集の見直しなどを掲げた。大阪維新の会が支援し、同市が地盤の松井一郎幹事長が一緒に街頭に立った。落選が決まった後、「市政の再起動へと頑張ったが、このような結果になり申し訳ない」と支持者に頭を下げた。

高槻市

 高槻市長選は、無所属現職で弁護士の浜田剛史氏(50)=自民、民主、公明推薦=が、無所属新顔のミニコミ紙編集長の高谷仁氏(57)を破り、再選を果たした。

 浜田氏は「(1期目の)4年の間に教育、子育てや防災など、さまざまな分野で政策を実現してきた。その一方で、人件費総額も削減させ、借金も減らした」とし、定住促進などの独自事業の継続と、行財政改革の両立を訴えた。新名神高速道路の整備やJR高槻駅の拡充など進行中の事業については、「攻めの街づくりを頑張りたい」と2期目に向けて強い意欲を示し、幅広い層の支持獲得に成功した。

 初の市長選となった高谷氏は「浜田市政の批判、不満の受け皿になりたい」とし、障害者福祉の改善や人権相談窓口の充実、警察業務の録音・録画などを訴えたが、浸透しなかった。(大部俊哉)

藤井寺市

 元市職員同士の一騎打ちとなった藤井寺市長選は、無所属現職で元市理事の国下和男氏(73)=民主推薦=が、無所属新顔で元市教育部長の林均氏(64)を破り、3選を果たした。

 国下氏は選挙中、近鉄藤井寺駅周辺の整備事業の継続や、百舌鳥(もず)・古市古墳群の世界文化遺産登録の推進を訴えた。幼保一体型の道明寺こども園(仮称)の建設など、子育て支援に力を入れた2期目の実績を強調し、「子育てを楽しめる街、藤井寺をもっとPRしたい」と呼びかけ、支持を広げた。

 林氏は、学校などの公共施設の耐震化や空き家対策などによる「安全安心の街づくり」を中心に訴えた。「街の再生は交通網の整備から」として、八尾南駅で止まっている大阪市営地下鉄谷町線を藤井寺まで延伸させることで、かつてのにぎわいを取り戻したいと呼びかけたが及ばなかった。

泉佐野市

 泉佐野市長選は、無所属現職の千代松大耕氏(41)=自民、民主、公明、次世代、大阪維新の会推薦=が、無所属新顔の竹崎博一氏(62)=共産推薦=を破り、再選を果たした。

 当選を決めた千代松氏が姿を見せると、事務所に集まった支持者らから拍手が起こった。千代松氏は「公約に掲げた定住促進や子育て支援、教育環境の充実などをしっかり実現に移していきたい。子どもや孫の時代に泉佐野の存在感が増している市にしたい」とあいさつした。

 選挙では、財政健全化団体からの脱却や学校施設の耐震化などの実績を強調。市業務の民間委託化の推進や関西空港を利用した活性化策などに取り組むと訴え、幅広い支持を集めた。

 竹崎氏は、千代松氏について、「住民の声に耳を傾けていない」と批判を展開。元小学校教諭の経験から、少人数学級の拡大や、福祉優先の施策への転換を訴えたが、及ばなかった。