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 【松尾慈子】「恋と寂しさの違いなど 誰がわかるのかしら」と歌ったのは、かの中島みゆきだった。本作を読みながら、この名曲「3分後に捨ててもいい」の歌詞が頭の中をぐるぐる回った。本作はかつての部活仲間の男性2人が、お互いの赴任先のイギリスでホームシックで参っているさなかに偶然再会して恋に落ちる物語だ。

 はい、前述の通り、ボーイズラブ(BL)である。でもこの作品には男同士である必然があるのだ。抱き合う主人公たちは疑問を口にする。「でもオレら……淋(さび)しいだけかもよ」。もともと同性愛者ではなかった2人の恋は、異国での孤独感から? それとも本物の愛情? そう、恋と寂しさの違いなど、渦巻く感情に巻き込まれている間は自分にだって分からない。帯の文句「“好き”だけで、触れたわけじゃない。」がズンと胸に響く。

 突然ロンドンへ転勤させられた太田は、赴任1カ月で重度のホームシックにかかっていた。「いっそクビでもいいから……日本に帰りたい」とまで思い詰めていたところで、高校時代にテニス部で一緒だった行貞に再会する。行貞はすでに在英1年。再会した夜に太田の家に泊まっていった行貞は、布団の中で太田の足に自分の足をからめてきた。「ぎょっとしたけど そんな風にしたくなった 行貞の気持ちは オレにはすごくよくわかった」

 ひざ枕を許し、ほっぺにチュー…

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