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 日本救急医学会は、熱中症の診療指針を初めてまとめた。重症度を三つに分け、頭痛や嘔吐(おうと)などがあれば、医療機関の受診が必要としている。学校や職場、介護の現場、一般の人にも役に立つとしている。

 重症度の分類は、周囲にいる人が早く異常に気付いて治療につなげる目的でつくられた。体温などにかかわらず、めまいや立ちくらみがある状態を「1度」、頭痛や嘔吐があれば「2度」、意識障害などがあれば「3度」とした。

 1度は体の表面を冷やすことや水分・塩分の補給など現場で応急手当てをし、2度以上は医療機関へ連れて行く。医療機関では経口か点滴による水分・塩分の補給や、体を冷やす処置などを受ける。3度は入院が必要となる。

 指針づくりにあたった三宅康史・昭和大教授は「1度の人でも、誰かがそばで必ず見守り、回復しなければ医療機関を受診してほしい」と注意を促す。

 また指針では、高齢者は重症例が多いと指摘。室内で熱中症になるのは、高齢の女性やひとり暮らしの人に多く、高血圧、糖尿病、認知症などの持病があると重症化しやすいとしている。

 予防や治療では、0・1~0・2%の食塩水を飲むことを推奨。水だけでは、体内の塩分が薄まってけいれんを起こしやすくなる。予防には一般的なスポーツドリンクでも問題ないが、塩分量が少なく糖分が多いとしている。梅昆布茶やみそ汁なども有効という。

 指針は、全国の救命救急センターなどを対象にした隔年の調査や、国内外の最新の論文をふまえた。学会のウェブサイト(http://www.jaam.jp/index.htm別ウインドウで開きます)に掲載されている。(武田耕太)