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 避難した人たちの心に寄り添いたい――。鹿児島県屋久島町・口永良部(くちのえらぶ)島での噴火で、全島避難した住民の心のケアに目配りする動きが広がっている。島唯一の医師は避難所を回り、住民の話に耳を傾ける。先行きの見えない避難生活で体調を崩す人もおり、町や県警も対策に乗り出した。

 「よく眠れてますか」「困ったことはない?」

 31日朝、避難した住民が身を寄せている屋久島(同町)の宮之浦公民館。白衣姿の医師、久保利夫さん(78)が住民の顔を見ながら笑顔で話しかけていた。診療ではない。「今できることは何か」と自問し、噴火翌日の30日から自発的に避難所を回っている。

 体がこっていると訴えた人の肩をもむサービスも。「私にできるのは、お一人、お一人の訴えを聴くこと。話をすることで気持ちが温かくなればいい」。心の健康は体の健康と同じくらい大切だと考えている。

 避難前から久保さんの診察を受けてきた女性(64)は「安心感が違う。島におってもらわんといけない人」。関口浩さん(49)は「避難が長期化するなら精神面のサポートは必要。ありがたいです」と話した。

 口永良部島には3月まで約1年、常駐の医師がいなかった。そこへ、4月に赴任したのが久保さんだ。仕事のかたわら、海岸を歩いて波の音を聴き、照葉樹の森で鳥のさえずりを楽しみ、東シナ海を望む露天風呂で汗を流す日々。新岳が噴火したのは、ようやく島の生活に慣れた頃だった。

 診察を終え、患者が帰ったところで、「ドカーン」という爆音が響き渡り、鉄筋コンクリートづくりの診療所が揺れた。「大変です。逃げましょう」。看護師が叫ぶ。血圧計を抱え、車で島内に町が設けた避難施設に向かった。

 外務省の医務官として、ケニア…

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