[PR]

 憲法が今、かつてない風雨にさらされている。政権は解釈変更による集団的自衛権の行使容認に続き、改憲への動きを強める。改正論者からも疑問は上がり、憲法の意義を改めて見つめ直す声もある。施行から68年。何を問うべきなのか。3人の識者に聞いた。

改正草案は「素人の怠慢」 慶応大名誉教授・小林節さん

 憲法改正は必要と考えています。ただし自民党が2012年に発表した改正草案のように、国民を、しつけ直そうとするのは間違い。国民主権、基本的人権の尊重、平和主義という現憲法の三大原理は変えるべきではない。人類がたどり着いた真理だからです。

 憲法とは権力者を縛り、国民の権利を守る法。国会でそのことを説明したが、質問した議員には分かってもらえなかったようです。

 自民の草案には、家族の助け合いまで書いてある。道徳をも縛ろうとする憲法観はひどすぎます。そう言うと「専門家の傲慢(ごうまん)」と非難されますが、過去の知識に学ぼうともしないのは、「素人の怠慢」では。

 憲法学者になったころ議員の勉強会などに呼ばれました。改憲を主張する学者は重宝だったのでしょう。私も未熟で、「1億人を守る戦争で3千人が死ぬのは『コスト』のうち」といった乱暴な議論もしていた。

 少しずつ考えが変わる、最初のきっかけは、娘が生まれたこと。赤ん坊を抱きしめる妻を見て、ひとつの命にたくさんの人の思いがあるのを感じました。

 政府がイラクやインド洋に自衛隊を派遣したのには怒りをおぼえました。改憲もせずに「非戦闘地域」というウソの概念で戦争に参加するのは許されません。現政権は96条の改正で発議要件を緩和しようとしました。相対多数決だけで変えるべきではなく、裏口入学に等しい。

 9条は改正すべきです。侵略戦争放棄と自衛軍保持を明記する。ただし時の政権の思いのままに、米国の「2軍」としてたやすく海外に出してはならず、国連の正式な要請は必須です。

 今後、都合のいい解釈を許さないためにも明文化すべきですが、集団的自衛権の行使を解釈変更で認めてしまった現政権に、憲法改正はゆだねられません。(聞き手・川端俊一)

     ◇

 こばやし・せつ 慶応大名誉教授。専門は憲法。憲法改正論者だが、「護憲的改憲論」を主張し、「解釈改憲」を批判している。

「権力の怖さ、自覚する時代」 大阪国際大学准教授・谷口真由美さん

 昨年、日本国憲法を大阪弁の「おばちゃん語」に翻訳して出版しました。「もう戦争はしやしまへんってきっぱり決めましてん」。前文はこんな感じです。

 きっかけは、あるママ友の「ね…

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら

こんなニュースも