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 昨秋、西アフリカのシエラレオネでエボラ出血熱と診断され、回復した米国人の男性医師(44)が、退院後に体内に潜伏していたウイルスが再び炎症などを起こす「ポスト・エボラ症候群」の眼球炎にかかっていたことがわかった。涙などからウイルスは検出されず、感染拡大の恐れは低いとみられるが、治療に携わる医療従事者などに注意が必要になりそうだ。

 エモリー大の医師らが米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(電子版)で報告した。医師は昨年9月、医療支援で滞在していたシエラレオネでエボラ熱と診断され、米国に搬送された。症状は約1カ月半後に治まり、血液や尿からウイルスは検出されなくなった。

 ところが、退院後に視力の異常や目の炎症が出現。眼球組織の一部を取り出して検査したところ、エボラウイルスが確認された。原因は不明だが、瞳の色が青から緑に変色。視力も悪化し、失明の恐れもあった。現在、視力は回復し、瞳も青色に戻ったという。

 エボラ熱は、血液中からウイルスが検出されなくなった後も、精液中にウイルスが一定期間、潜伏することが知られている。目の異常も報告が相次いでいた。シエラレオネで回復者85人に聞いた調査では、4割に何らかの異常があったという。(ワシントン=小林哲