やさしく深い言葉で人生を歌い、評論や児童文学、翻訳など幅広い分野で活躍した詩人の長田弘(おさだ・ひろし)さんが3日、胆管がんのため東京都杉並区の自宅で死去した。75歳だった。葬儀は近親者で営まれた。喪主は長男敦(あつし)さん。

 福島市出身。早稲田大学在学中に詩誌「鳥」を創刊。1965年、第1詩集「われら新鮮な旅人」で詩壇に登場し、戦後の叙情詩を代表する詩人のひとりとなった。

 エッセー集「私の二十世紀書店」で毎日出版文化賞、「記憶のつくり方」で桑原武夫学芸賞、「森の絵本」で講談社出版文化賞。詩集では、2009年に「幸いなるかな本を読む人」で詩歌文学館賞、10年に「世界はうつくしいと」で三好達治賞、14年には「奇跡―ミラクル―」で毎日芸術賞を受賞した。

 著書はほかにも「深呼吸の必要」「読書からはじまる」「空の絵本」「なつかしい時間」など数多い。今年4月には半世紀に及ぶ詩業をまとめた「長田弘全詩集」(みすず書房)を出したばかりだった。