(スコアの余白)西武・秋山 ひとり親家庭の子へ夢を

甲斐弘史
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 「今年はいいスタートになったのでうれしい」

 西武の秋山が3、4月の月間最優秀選手(MVP)のリーグ打撃部門を初受賞した。8日の会見で喜びを語る表情は、自信に満ちあふれていた。

 開幕から不動の1番打者として中堅で全試合に出場。4月終了時の打率は3割7分4厘。2度の先頭打者アーチや3試合連続3安打を放った。今や昨季本塁打王の中村やメヒアら主軸へつなぐチャンスメーカーとして欠かせない存在だ。

 昨季序盤は打撃不振で、ちょうど黄金週間は2軍にいた。すぐに復帰したが、成績は2013年を下回った。オフにひじを手術。「1回リセットというか、新しいフォームをつくろうと思った」。新たにグリップ位置を下げる打撃フォームに変え、好感触をつかんだ。何より、「キャンプ前からいい形でこられたのが一番の(好調の)要因」と語る。

 約1カ月ぶりの首位に立った6日のオリックス戦から、自分と同じひとり親家庭の親子を主催試合に招待している。幼い頃ソフトボールを教えてくれた父が40歳で他界、12歳から母子家庭で育った。父と約束した「プロ野球選手」になって5年目。「親子水入らずの楽しい時間を過ごしてほしい」との思いからだ。

 試合前には親子22人と握手や記念撮影。試合では3安打を放ち、「意識した」とはにかんだ。自らの活躍で同じ境遇の子どもに夢を与えることが新たなモチベーションになっている。

 シーズン200安打超えを期待する声には「目標をそこに置くのはまだ早い」と謙遜する。このまま(34試合で55安打)のペースなら、143試合で231本。「どれくらいの数字が残っているか自分への期待とか不安とかあるけど、最後にいいシーズンだったと思えたらいいと思います」(甲斐弘史)