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 代助は落ち着かない。連載小説「煤烟(ばいえん)」はためらう自分と主人公を比べてしまい、読み続ける気がしない。平岡の新居を訪ねると、三千代が荷物から平岡とそろいで仕立てたという赤ん坊の着物を取り出した。酒を飲みながら昔のように議論を始める。以前と違い代助はめっきをはがし真鍮(しんちゅう)のままでいようと心がけてきた。しかし平岡は、失敗しても働く自分を笑っている、考えるだけで意志を発展させることがない、昔とすっかり変わってしまったと代助を攻撃した。

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