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 「筆談ホステス」として知られ、4月の東京都北区議選で初当選した斉藤里恵さん(31)が本格的な議会活動を始めた。聞くこともうまく話すこともできず、手話も苦手な議員は極めて異例だ。区議会は聴覚障害者が意思疎通しやすくなるIT機器を26日の本会議から導入する。区議会によると、導入は全国で初めて。

 区議会の会議室で11、12日にあった各会派代表者会。1人会派「北区を元気にする会」の斉藤さんは区議同士の会議に初めて臨んだ。9人で机を囲み、区職員が斉藤さんの横についた。職員は無地のメモ用紙に各議員の発言をほぼそのまま急いで筆記し、出席者はゆっくり発言した。

 斉藤さんが「一人会派と他会派で情報量に差がないようにしてほしい」とノートサイズの電子筆談板に書いて周囲に見せ、区職員に読み上げてもらう一幕も。会議後、「ゆっくり話し合う今回のペースなら参加できる」と取材に答えた。

 一方、本会議では質問時間が1人20分と制限され、区議は早口になりがちだ。斉藤さんは口の動きから言葉を推測する読唇術が使えるが、広い議場では発言者が遠く、文書を読むために顔を下に向けることもあり、読唇術は使いづらい。

 意思を伝えることにも課題がある。議場では電子筆談板の字を全員が読むことはできない。斉藤さんは手話も「初心者レベル」だ。

 そこで区議会は、斉藤さんがパソコンに打ち込んだ文字を読み上げるソフトを使えるよう、ソフトの入った私有パソコンの持ち込みを認めた。

 発言者の音声を文字にしてIT端末に表示するシステムも導入し、区長や区議の発言をリアルタイムで斉藤さんに読んでもらうという。区議会事務局が議事録を読む実験をしたところ、文字化システムは90~95%を読み取った。

 戸枝大幸議長代行は「どんな議員でも『聞ける』『話せる』環境を整備したい」と話す。

 だが、文字化システムに詳しい河原達也・京大教授(音声情報処理論)は「ヤジなどで精度は落ちる。80%以下に精度が落ちた文章を読むと逆に混乱する」と課題を挙げる。文字化システムを導入している衆議院や都議会は、スタッフが後で録音を聞き、文章を手直しして議事録をつくっているという。

 斉藤さんは1歳で髄膜炎になっ…

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