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 こうの史代さんのマンガ「この世界の片隅に」(双葉社、全3巻)を、「マイマイ新子と千年の魔法」(2009年)の片渕須直監督がアニメ映画化する企画がありまして、今年3月から5月29日まで制作のための資金をクラウドファンディングで募っています。それに伴い片渕監督がいろんな場所で企画のプレゼンを兼ねたトークを行っており、私も5月5日に東京ビッグサイトで開催された同人誌即売会「コミティア」内の「アニメ化応援企画 片渕須直監督トークショー&レイアウト原図展」に行ってきました。

 要はアニメの「設定」のお話で、舞台となる戦中の広島・呉の街や風俗をこれだけ調べたよ、という内容なのですが、これがめっぽう面白い。こうのさんの名を世に知らしめた「夕凪の街 桜の国」が手塚治虫文化賞新生賞を受賞した時の取材で、こうのさんが緻密(ちみつ)に隅々まで調べる人だとは知っておりました。昭和30年代の山口・防府を舞台とした「マイマイ新子」の取材で、片渕さんもまた緻密に隅々まで調べる人であることを知っていました。この掛け合わせが生む緻密さの二乗、それがあきれて笑っちゃうくらいスゴイのです。

 広島・江波で生まれた絵の得意な少女すずが、昭和19年に20キロ離れた軍港の町・呉に嫁ぐ。生活物資が不足する中、工夫して家事をこなすが徐々に戦火が迫り……という物語。ちょっとポーッとしたところのあるすずの視点から、戦中の庶民の暮らしがディテール豊かに、ほのぼのとしたユーモアを基調に(もちろんそれでは済まない展開に入っていくのですが)、優しく温かみのある筆致で描かれます。

 本作に取りかかって4年を超す…

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