小説「赤目四十八瀧心中未遂」などで知られる、直木賞作家の車谷長吉(くるまたに・ちょうきつ、本名車谷嘉彦〈くるまたに・よしひこ〉)さんが17日、誤嚥性(ごえんせい)の窒息のため、東京都内の自宅で死去した。69歳だった。故人の遺志により、葬儀は行わない。

 1945年、兵庫県生まれ。慶応大学卒業後、広告会社勤務などいくつかの仕事を経て、作家に。露悪的なまでに身辺をさらけ出し、人間の本性をえぐり出す作風で知られた。

 92年に47歳で刊行した「鹽壺(しおつぼ)の匙(さじ)」で、三島由紀夫賞、芸術選奨文部大臣新人賞を受賞し、注目される。98年には「赤目四十八瀧心中未遂」で直木賞を受賞。同作は映画化もされ、話題を呼んだ。妻は詩人の高橋順子さん。

 2009年4月から12年3月まで本紙「悩みのるつぼ」の回答を担当した。