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 神戸市須磨区で起きた連続児童殺傷事件で、当時少年の男性(32)に殺害された土師淳君(当時11)の父の守さん(59)が報道各社に寄せた手記の全文は次の通り。

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 この5月24日で、淳が私たち家族の前から姿を消してから18年という歳月が過ぎたことになります。18年という歳月は非常に長いと思いますが、私たち遺族にとっては、どれほどの歳月が経とうとも、子供への想(おも)いは変わることはありません。

 今年も5月中旬に弁護士を通して、加害男性からの手紙が届きました。内容についてはお話しできませんが、昨年までとは異なり、私たちが事件の真の原因を知りたいと望んでいたことに対して彼なりの考えをつづっていたと思います。それで全てがわかったということではありませんが、これ以上は難しいのではないかとも考えています。加害男性については、自分が犯した罪に生涯向き合い、反省の気持ちを持ち続けて欲しいと思います。

 近年、被害者支援条例が、全国的に多くの自治体で成立しており、兵庫県内でもかなりの数の自治体で成立しています。いまだに条例の制定の予定が無い自治体も多くあるようですが、そのような中、明石市では、現在のところ全国でも最も進んだ内容の条例改正が昨年4月に施行されました。被害者支援条例の制定は、被害者にとってのよりどころが出来るという点で、非常に重要な意味を持っています。被害者支援条例を制定する動きがさらに加速して欲しいと願っていますが、さらに、その内容についても、制定したことだけで終わるので無く、さらにより支援の実効性が上がるような体制の構築や条例の改正も検討してもらいたいと思っています。

 2004年に「全国犯罪被害者の会(あすの会)」の活動が実り、犯罪被害者等基本法が成立しました。それ以降、犯罪被害者のための多くの法律や制度ができ、犯罪被害者を取り巻く環境は大きく改善されてきました。しかしながら、まだまだ救われていない多くの被害者が存在します。あすの会では、特に犯罪被害により生活に困窮している被害者に対する経済的補償制度につき、現在も強く改善を求めています。全ての犯罪被害者が、被害を受ける以前の生活に出来るだけ速やかに戻ることが出来るような制度を、さらに整備して欲しいと思います。

 平成27年5月24日

土師守