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 大手企業が、来春入社の新卒採用を増やす動きを強めている。朝日新聞社が主要100社に実施した2016年春の採用計画調査では、説明会を増やしたり、リクルーター制度を導入したり、様々な手立てで優秀な学生の確保に努める姿も浮かび上がる。

 企業の採用意欲や人手不足感は、様々な場面で強まっている。JR東海は、27年開業をめざすリニア中央新幹線の建設要員の確保などのため、今春の595人から来春は約630人に増やす。三井不動産は、オフィスや商業施設の管理力を一段と高めるため、来春から若干名、初めて技術系社員を新卒採用する。

 「企業の求人意欲の高まりで、特に大卒以上の女性が売り手市場になっていると感じる」(日産自動車)との見方も。資生堂は、総合職の採用を約1・5倍に増やす。店頭で接客にあたるビューティーコンサルタントも、来春からは販売子会社が契約社員ではなく、11年ぶりに正社員で採用。採用規模も100人程度から約500人に増やす。

 各社が一斉に採用増に動くなか、学生にいかに目を向けてもらうかの取り組みも強まる。会社説明会を前年より「増やす」のは、58社に上った。「売り手市場の中で優秀な学生を確保するため」(鹿島)、「一人でも多くの学生との接点を増やすため」(日本ガイシ)だ。「地方都市での実施を増やした」(富士通)という動きもある。

 リクルーター制度を活用する動きも広がっており、7社が「13年度以降に導入(復活)」と答えた。ヤマト運輸は「学生の入社動機を高めるため」と狙いを説明。すかいらーくは以前から制度があるが、今年からエリアマネジャーを各店のアルバイト学生向けリクルーターに任命。「就職先としての当社の魅力を語り、選考に誘導する取り組みを始めた」という。大成建設は全国の支店にリクルーターを置き、各地の学生をフォローしている。

 「採用とは無関係」との位置づけで実施されるインターンシップ(就業体験)の参加学生が入社する例も少なくない。15年春入社の新人のうち、結果的に自社のインターン経験者が占めた割合を尋ねたところ、16社が10%以上とした。うち8社は20%以上、50%以上も1社あった。

 ただ、「全体的にはさらに売り手市場になったと感じるが、すべての学生にとってそうとは言えない」(NTT西日本)との指摘も。リクルートキャリア就職みらい研究所の岡崎仁美所長は「企業の採用活動は活発化している。すでに内々定を得た学生もいるが、求める基準を緩めてまで採用しない企業も多く、チャンスをものにできるかどうかは学生次第」とみる。(細見るい、吉川啓一郎)

表の見方

・調査時点の各社の回答に基づく。社名に「★」がある場合は、グループも含む採用数とした企業

・大卒欄は大学院修了を含む。「-」は回答なし・非公表。HDはホールディングス、FGはフィナンシャルグループの略

・矢印は15年春の実績と比べた16年春の計画数の増減で、各社の考え方を表す。「↑」が増、「→」が横ばい、「↓」が減