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 国の特別天然記念物ニホンライチョウを絶滅から守るため、東京・上野動物園は25日、人工飼育に取り組むと発表した。繁殖期の6月に北アルプス乗鞍岳で採取する卵を人工孵化(ふか)させる予定だ。飼育や繁殖の方法を確立させ、将来的には野生復帰を目指す。

 国のライチョウ保護増殖事業の一環。環境省は2月、日本動物園水族館協会と連携し、人工飼育の開始を決定。生態が似ている亜種スバールバルライチョウの飼育実績のある上野動物園と富山市ファミリーパークが選ばれた。

 上野動物園は2008年7月、国内で初めてスバールバルライチョウの飼育を始め、10年に人工繁殖に成功。現在は15羽を育てている。同園の金子美香子・教育普及課長は「今まで高めた飼育技術を生かし、希少種保全に貢献したい」と話した。

 環境省によると、ニホンライチョウは本州中部の標高2千メートル以上の高山帯に生息。1980年代には約3千羽いたとされるが、外敵の増加や環境の変化で、現在は推定で2千羽弱とみられる。(黒田壮吉