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 大阪・新世界の写真館「ニコニコプロフォト」がこの春、90年の歴史に幕を閉じた。結婚、成人式、七五三……。父子2代にわたり、下町の住民たちの人生の節目を、ファインダー越しに見つめ続けてきた。

 「いつもの通りね。みんな笑顔で」。今年1月、2階のスタジオ。2代目店主の曽和勝さん(69)が手にするカメラのレンズを、4人の家族連れが柔らかい表情で見つめ、シャッターが幾度も切られた。

 被写体は大阪・千日前で生まれ育った西岡寿治さん(51)と妻、長女、長男の一家だ。毎年、十日戎(とおかえびす)の時期に家族写真を撮りに来ていた。自宅には1959年、初代店主で勝さんの父繁雄さん(故人)が撮影した、兄と亡き両親らが写ったモノクロ写真が残る。「写真は家族の軌跡みたいなもの。この年に子供が学校に入ったとか、この年は仕事失敗したとか、いろいろ思い出させてくれます」

 写真館の開業は1926(大正15)年。和歌山出身の繁雄さんが24歳で開いた。当時の名前は「ニコニコ写真館」。通天閣があるから繁盛するだろうと新世界を選んだという。

 12(明治45)年建設の初代通天閣は高さ75メートルと現在より約30メートル低かったが、「東洋一高い」とうたわれた。周辺には芝居小屋や映画館が数多くあり、正月や入学式の記念撮影、宴会の出張撮影などで店は繁盛した。

 ところが通天閣は戦時中の43…

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