[PR]

 刑務所にいる間に出産する女性受刑者が、年間に20人以上いることがわかった。制度上は刑務所内での育児は許されているが、実際には離ればなれになるのが大半。「母子は一緒に暮らすべきだ」との指摘を受け、法務省は近く検討に乗り出す。一方、「塀の中」での子育てには疑問の声もある。

 同省によると、妊娠した女性受刑者は、統計を取り始めた2012年度が27人、13年度が25人。覚醒剤などの薬物使用で逮捕され、拘置所や刑務所で妊娠に気づいたケースが多い。大半の受刑者はその後、出産したとみられる。

 刑事収容施設法は、刑務所長が認めれば、受刑者と子どもは最長で1歳6カ月まで、所内で一緒に過ごせると定める。全国10カ所の女性刑務所には、「保育室」などの名称で母子が一緒に入る部屋もある。

 しかし、実際に所内で子どもを育てた例は「最近は聞いたことがない」(同省矯正局)という。母親が養育を希望しても、子育てができる状態にないと判断されるケースが多く、子どもの大半は乳児院や親族に引き取られている。

 刑務所側の受け入れ態勢も整っていない。

 近年は薬物事件などで女性受刑者の数が増え、11年末には過去最高の4654人に。このため、房が足りず、保育室なども一般受刑者の収容に使われている。また、受刑者が子育てをすれば刑務官の負担が増すため、現場では受け入れに消極的な意見が根強い。

 こうした現状に対し、女性刑務所の環境改善を提言する民間の有識者会議「女子刑務所のあり方研究委員会」は13年6月、子どもの権利保護の観点から「妊産婦や出産後の受刑者と子どもの支援を充実させるべきだ」と指摘。委員長の堂本暁子・元千葉県知事は「離ればなれよりも子どものために良く、母親の再犯防止にもつながる。短期間でも母子が一緒にいられる環境をつくるべきだ」と話す。

 指摘を受けて法務省は、刑務所内での育児が可能かどうか、内部で検討を始める。交代勤務で厳しい労働環境にある刑務官に、母子への対応という新たな業務ができるのか。受け入れには保育や福祉のスタッフも必要で、人員確保なども課題になるとみられる。(北沢拓也)

■息子と面会、7…

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら