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 爆発的に噴火し、全島民が避難した口永良部(くちのえらぶ)島(鹿児島県屋久島町)について、気象庁の火山噴火予知連絡会は30日、「今後も今回と同程度の噴火の可能性がある」とし、大きな噴石や火砕流への警戒を求める見解を公表した。活動は数年に及ぶおそれもあり、記者会見した委員は帰島について「1週間ではあり得ない。最悪の場合、年単位になることを考えておくべきだ」との見方を示した。

 予知連はこの日、臨時の会議を開催。今回の噴火について、マグマが地下水に接触して起きた「マグマ水蒸気爆発」との見方を示した。新しいマグマからできた火山灰はわずかで、地下に多くのマグマが残っているとみられるという。

 口永良部島の火山性地震は29日午後以降は減っており、気象庁は30日午前10時50分、連続噴火は停止したもようだと発表した。ただ、予知連会長の藤井敏嗣・東京大名誉教授は会見で「噴火が停止したとしても一休みといったところ。むしろ長い期間にわたって噴火活動が続く可能性がある」と話した。

 災害対応を話し合う政府の災害対策会議でも30日、火山活動が長期化する可能性が指摘され、島民への火山情報の迅速な提供や生活支援などを確認した。

児童・生徒ら、屋久島で受け入れ

 新岳(しんだけ)噴火を受け、鹿児島県と屋久島町は30日、口永良部(くちのえらぶ)島から屋久島に避難している児童・生徒計16人を屋久島の小中学校で受け入れると発表した。県などは近日中の授業開始を検討している。火山活動の先行きが見通せない中、子どもたちの学ぶ場を確保するための措置だ。教科書などの学用品や給食も屋久島町教委で対応するという。

 また、伊藤祐一郎知事と荒木耕治町長は30日、政府との対策会議で、島民の避難生活の長期化が想定されることを踏まえ、山谷えり子防災担当相に政府の長期的な取り組みを求めた。

 県によると、口永良部島を離れて屋久島の避難所で生活している島民は69人(30日午後2時現在)。親戚宅などに移った人がいるため前日夜より14人減った。噴火時に島には137人がいたが、うち19人は観光客など一時滞在者。現在は島民の6割が避難所に身を寄せている。各避難所では町の職員が食事などの準備にあたり、医師や保健師らが巡回した。

 荒木町長は「避難者がストレスをためないよう総出で対応している」と報道陣に語った。島民から要望が出ている「一時帰島」については、噴火警戒レベルの引き下げや関係機関との協議を踏まえて検討する考えを示した。