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 30日午後8時24分ごろ、小笠原諸島西方沖を震源とする強い地震があり、東京都小笠原村母島と神奈川県二宮町で震度5強、埼玉県春日部市、鴻巣市、宮代町で震度5弱を観測したほか、関東を中心に全47都道府県で震度4から震度1の揺れを記録した。

 気象庁によると、震源の深さは約590キロ、地震の規模を示すマグニチュード(M)は8・5(速報値)。日本周辺でM8・0以上を観測したのは、2011年3月の東日本大震災(M9・0)以来。M8・5は1885年以降でみても、東日本大震災に次ぐ2番目の規模だという。

 規模が非常に大きかったうえ、震源が深かったことから広範囲で揺れが観測されたが、津波の心配はない。気象庁の中村浩二・地震情報企画官は、「強い揺れの余震が起きる可能性は低い」との見解を示した。

 気象庁は今回、高層の建物を大きく揺らす「長周期地震動」を観測した。室内で物につかまらないと歩くのが難しいような揺れが横浜市鶴見区、長野県諏訪市などで観測された。一方、緊急地震速報は発表しなかった。震源が深い場合、震源から離れた場所の揺れが大きくなることもあり、「正確な震度の予測が困難なため」としている。

 この地震の影響で、東海道新幹線やJR山手線など多くの鉄道が一時運転を見合わせ、首都圏を中心に交通が混乱。JR東日本と東海の新幹線だけで約7万7千人に影響した。JR東海は東京、名古屋、新大阪の各駅に停車した東海道新幹線の車両を帰宅できない人に開放した。

 東京電力によると、東京都足立区と埼玉県ふじみ野市で一時、最大で約600軒が停電した。消防によると、震度4を観測した川崎市川崎区の男性会社員(56)が階段で転倒し、肋骨(ろっこつ)が折れるけが。都内でも転倒ややけどで負傷したという通報が8件あった。

 原子力規制庁と東京電力によると、小笠原諸島沖の地震で、福島第一、第二の両原発(福島県)や東海第二原発(茨城県)に異常は報告されていない。

 政府は30日午後8時29分、小笠原諸島西方沖を震源とする地震に関し、首相官邸内の危機管理センターに官邸連絡室を設置した。

 震度4以上を観測した地域は次の通り。

 【震度5強】

 東京都=小笠原村

 神奈川県=二宮町

 【震度5弱】

 埼玉県=春日部市、鴻巣市、宮代町

 【震度4】

 茨城県=古河市、石岡市、常総市、常陸太田市、笠間市、取手市、筑西市、坂東市、稲敷市、つくばみらい市、茨城町、河内町、境町

 栃木県=栃木市、佐野市、野木町、高根沢町

 群馬県=館林市、明和町、大泉町、邑楽町

 埼玉県=さいたま市大宮区、見沼区、中央区、桜区、南区、緑区、熊谷市、川口市、行田市、加須市、草加市、蕨市、戸田市、志木市、久喜市、八潮市、富士見市、三郷市、蓮田市、幸手市、鶴ケ島市、吉川市、白岡市、伊奈町、三芳町、川島町、吉見町、杉戸町、松伏町

 千葉県=千葉市中央区、美浜区、市川市、船橋市、館山市、木更津市、野田市、柏市、市原市、流山市、鴨川市、君津市、浦安市、南房総市、いすみ市、長生村、白子町、長柄町、鋸南町

 東京都=千代田区、中央区、港区、文京区、墨田区、江東区、品川区、大田区、渋谷区、豊島区、北区、荒川区、板橋区、練馬区、足立区、葛飾区、江戸川区、青ケ島村

 神奈川県=横浜市西区、中区、保土ケ谷区、港北区、戸塚区、泉区、川崎市川崎区、平塚市、藤沢市、小田原市、茅ケ崎市、厚木市、海老名市、綾瀬市、寒川町、大井町

 山梨県=忍野村

 長野県=佐久市

 静岡県=伊豆の国市