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 就職活動のピークが春から夏になり、就活生は暑さと戦っている。百貨店やアパレル業界は「涼しい就活スタイル」に力を入れるが、クールビズでの就活をためらう学生もいる。普及には採用側の理解が欠かせない。

 1日、東京・六本木で百貨店11社によるクールビズのファッションショーがあった。就活スタイルを担当したそごう・西武の男性モデルは、途中で上着を脱ぎ、ネクタイも外した。シャツの襟は通常より小さく「ネクタイなしでも決まる」(同社広報)新作だ。

 紳士服大手AOKIは、就活生向けとして女子用に七分袖のブラウスを、男子用に半袖ワイシャツを一部店舗で売っていたが、今年から全国の店で用意した。裏地の薄い夏用のリクルートスーツも品ぞろえを増やし、男子用は昨年の3・5倍、女子用は3倍にした。

 就活生と企業の採用担当者のマッチングをてがけているベンチャー企業、アイプラグ(大阪市)は、クールビズでの就活を学生や企業に呼びかけている。日産自動車や文具大手コクヨなど81社から5月末までに賛同を得た。アイプラグの担当者は「快適な服装で選考に臨む方が学生は普段の力を発揮できるため、企業にも好都合。夏本番までに200社以上から賛同を集めたい」と話している。

 しかし、就活生は戸惑う。東京理科大大学院を来春に修了する男性(23)は、黒い無地のスーツにネクタイを締め、各社の説明会をまわっている。「採用担当者の中にはクールビズを快く思わない人もいると思う。服装で減点されるわけにはいかないので、暑くても我慢したい」

 経団連は2016年卒の学生の選考で、例年より4カ月遅い8月から始めるよう加盟企業に求めている。学業に影響が出ないようにと政府が要請したためだが、真夏の就活は体力的にきつい。そこで政府は、学生の軽装を認めることを経団連などに求めているが、十分には浸透していない。

 AOKIとマイナビスチューデントが昨年末、企業の採用担当者200人にアンケートしたところ、「適度なクールビズなら問題なし」が49%、「積極的に取り入れてほしい」が23%にのぼった。ただ「少し抵抗がある」が20・5%、「非常に抵抗がある」も7・5%あった。(奥田貫)