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 環境省は5日、絶滅が心配される国の特別天然記念物ライチョウの人工飼育に取り組むため、生息場所となっている乗鞍岳(長野、岐阜県)で、卵を初めて採取した。人工孵化(ふか)させ、飼育や繁殖の方法を探る。

 この日は、環境省の職員や地元の研究者らが、山頂付近に生えた高山植物ハイマツの茂みの中にある巣3カ所から、メスがいない間に計5個の卵を採取した。巣は事前に見つけておいたもので、卵を採った影響がないか、経過を観察する。6日に、上野動物園(東京都)へ運ぶ予定だ。

 6月下旬には、卵を抱いている時期の巣からも5個の採取を行い、富山市ファミリーパークへ輸送する。 メンバーの中村浩志・信州大名誉教授(鳥類生態学)は「今回の採卵は動物園で将来に備えてライチョウを増やすためのまさにスタートだ」と話した。

 ライチョウは乗鞍岳のほか、北アルプス、南アルプスなどの高山に生息する。近年、キツネやカラスなどによる捕食や環境の悪化で生息数が減少している。(小坪遊