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 三鷹の森ジブリ美術館(東京都三鷹市)で先月末から始まった宮崎駿さん企画・構成の「幽霊塔へようこそ展―通俗文化の王道―」は、宮崎さんが中学時代に夢中になった江戸川乱歩の怪奇ロマン「幽霊塔」(1937年)がテーマ。かつてある豪商が時計塔の地下に迷宮を作って財産を隠そうとしたら自分まで迷宮から出られなくなり――という怖い因縁がある古びた「幽霊塔」で、謎めいた美女と出会った青年が恋に落ち奇怪な事件に巻き込まれる。時計塔、からくり、歯車、秘密の出入り口、地下迷宮、隠された財宝、運命を背負ったヒロインとの恋……と並べればお分かりの通り、1979年の初監督映画「ルパン三世 カリオストロの城」の元ネタになった作品だというので、「カリ城」ファンとしては見逃せません。

 展示の見どころは三つ。宮崎さん描き下ろしパネル19枚、「カリ城」巨大ジオラマ、中央吹き抜けホールにそびえる時計塔(高さ12.5m)です。

 パネルでは、楽しい図解を交えて「幽霊塔」の源流をたどります。乱歩版の前に黒岩涙香が1899年に新聞に連載した翻訳(翻案)小説「幽霊塔」があり、その原作は英国の作家A・M・ウィリアムスンが1898年に発表した小説「灰色の女」です。宮崎さんが読んでみたところ、時計塔や秘密の通路は共通していますが、「灰色の女」では「1階と2階の間の隠し部屋」だった財宝の隠し場所を、涙香は地下に移して財宝も増量、更に乱歩は大迷宮に。「より面白くした方が勝ち」という世界ですな。そして宮崎さんは「カリ城」で、城の地下に迷宮や秘密の工房を作り、時計塔もでっかくした上で大崩壊スペクタクルを用意し、財宝も「金銀宝石なんてチンケでツマラン」とばかりに「人類の宝」か「世界遺産」か!ってなスケールにしました。宮崎さんは、企画展の副題となっている「通俗文化の王道」という言葉を提示し、ポーやコリンズやドイルやウィリアムスンやルブランや乱歩らの浮かぶ大河をながめつつ「わしらは大きな流れの中にいるんだ」と解きます(パネルで自画像のブタがタマゴ姫にそう説明します)。

 なるほど、通俗文化の王道を歩…

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