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 沖縄県の那覇空港で航空自衛隊のヘリコプターと民間機2機がからんだトラブルで、日本トランスオーシャン航空(JTA)機のパイロットが、離陸滑走中の全日本空輸機を確認しながら「問題ない」と判断し、着陸したことがわかった。航空法は他機がいる滑走路への着陸を認めておらず、国の運輸安全委員会はJTA機の着陸状況を調べる。

 国土交通省によると、トラブルは3日午後1時23分ごろ、航空自衛隊那覇基地のCH47が管制官の許可なく離陸し、滑走路を横切ったため、離陸滑走中の全日空機が急ブレーキをかけた。管制官は着陸態勢に入っていたJTA機に着陸やり直しを指示したが、同機は全日空機の後方に着陸した。

 JTAによると、同機のパイロットは全日空機が滑走路に入ったのを確認した後、管制官から着陸許可を得た。その後、全日空機の滑走開始も見ており、「自機との間には十分な距離があった」と判断したという。JTA機が滑走路上で停止した際、全日空機との距離は400~500メートルだった。

 JTA機側は「管制官から着陸やり直しの指示があったのは、滑走路に接地し逆噴射操作をした後だった」とも説明している。

 元全日空機長で航空評論家の樋口文男さんは「離陸滑走中の飛行機は何らかの不具合で停止する可能性がある。一連のトラブルで最も危険だったのはJTA機の着陸」と指摘する。ある現役パイロットは「航空機のスピードで数百メートルはあっという間。安全を担保できる状況ではなかった」と話す。

 運輸安全委の航空事故調査官は5日、全日空のパイロットに聞き取りをし、今後、民間機2機の飛行記録や音声記録の解析に入る。(中田絢子