[PR]

 春夏の甲子園で計7度の優勝を誇るPL学園(大阪府富田林市)野球部が、特別な夏を迎える。野球経験のある監督がいない状態が続く中、この春からは部員募集も停止。3年生21人、2年生12人の部員は、「名門復活へ最後のチャンス」との思いで挑む。

 大阪府南部の丘陵地にあるPL学園のグラウンドでは、夕方になると部員たちの声が響く。両翼は約90メートル。形が甲子園とよく似た球場で、以前は春秋の府大会公式戦にも使われた。

 「体が突っ込んでる」「力み過ぎや」。野球経験のある監督がいなくなって2年あまり。部員同士で欠点を指摘する。謝名堂(しゃなどう)陸主将(3年)は「自分たちで考えるしかない」と話す。コーチはいるが、公式戦ではベンチに入れないため、試合中は選手たちで指示を出し合う。

校長が監督に

 謝名堂君は小学生の頃にPLの試合を観戦し、選手のひた向きな姿に憧れた。だが、入学直後に部員同士の暴行事件の責任をとり当時の監督が退任。野球部は8月下旬まで対外試合禁止になった。「何のためにここに来たんだろう」とやりきれない気持ちになった。

 試合ができるようになっても、監督は来なかった。報道などで新監督候補の名前が出ると、「これで甲子園が近くなった」と仲間と喜んだが、期待通りには進まなかった。監督は野球経験のない校長が務めることになった。

 バラバラになりかけたチームを、1学年上の中川圭太元主将(19)=東洋大1年=が救った。「自分たちで考えて野球をすればいい」。ミーティングで何度も声をかけてくれた。「野球が教えられる監督を呼んで下さい」と池田秀男部長(64)に訴える中川さんの姿に勇気づけられた。

 昨秋、謝名堂君は主将になった…

980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら