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 熊本県の人気ゆるキャラ「くまモン」。実は、テレビ局によって発音が異なっている。「くま」に強いアクセントを付ける呼び方と、抑揚のない呼び方だ。放送業界で議論が沸騰した時期もあったが、人気の広がりとともに「共存」が定着してきた。さて、あなたはどっち派?

 熊本城に近い繁華街にある「くまモンスクエア」(熊本市)。くまモンに会える交流スペースで、週末は家族連れらでにぎわう。4月末、スクエアを訪れた熊本市の桑原裕子さん(58)は「熊本人ならくまモンかな。私はくまモンですけど」。アクセントのある呼び方を勧めた。

 くまモン人気が高まるにつれ、熊本県には時折、「正しい呼び方はどちら」という問い合わせがあるという。担当者は「決まりはありません。呼びやすい方でいいですよ」と答えることにしている。

 背景には、放送局のアナウンサーの発音が統一されていない実情がある。現在、フジテレビ系、TBS系はアクセントに高低がない「平板型」。テレビ朝日系、日本テレビ系、NHKはアクセントが頭にある「頭高型」だ。

 平板型側は、「熊本の者(もん)」という名前の由来を重視。九州地方には「じげもん(地元の者)」や「よそもん(よそ者)」という方言があるが、いずれもアクセントに波がない。地元放送局のTKUテレビ熊本(フジテレビ系)やRKK熊本放送(TBS系)は平板型だ。テレビ熊本の荒木恒竹報道部長は「ネーミングの由来と、地域の発音は平板が多いため」と話す。

 一方、頭高型側は、認知度や言葉の響きに重きを置いた。くまもと県民テレビ(日本テレビ系)の本橋馨アナウンス部長は「かわいらしさを感じるのは頭高型で、一般的に認知され、なじみやすい」と説明する。

 実は、くまモンが「ゆるキャラグランプリ」で優勝した2011年、統一を探る動きがあった。熊本県の放送各局のアナウンサーが集う懇親会「熊本地区アナウンス協議会」で、発音をめぐって議論。しかし結論は出ず、各局ごとに判断することになった。

 「ネットワーク内でバラバラでは具合が悪い。『くまモンは平板』で意思統一を図っていただければ幸いです」

 熊本放送は13年5月、全国のTBS系列局にこんな要望書を配った。本田史郎報道制作局アナウンス部長は「言葉の語源、文化を大事にしたかった」。以降、TBS系列局は平板型で通しているという。

 日本語の発音研究に詳しい中村明・早大名誉教授は「通常、固有名詞の読み方はある程度、統一見解があるが、くまモンのような造語で、放送局レベルで読み方が割れるのは珍しいのでは」と指摘する。

 では、くまモン自身はどう思っているのか。

 くまモンは12年1月、公式ツ…

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