[PR]

 東京・秋葉原の無差別殺傷事件から8日で7年になった。7人を殺害、10人に重軽傷を負わせた加藤智大(ともひろ)死刑囚(32)の死刑が2月に確定して初めてのこの日、多くの人が現場で手を合わせた。

 岡山市のパート八代哲明さん(31)は仕事を休み、夜行バスで駆けつけて花を供えた。秋葉原は年数回は訪れていた大好きな街。7年前、事件をテレビで見てショックを受け、毎年、献花に訪れている。年々供えられている花が少なくなり、事件の記憶が薄れつつあるように感じる。「風化させたくないという思いがある。来年も来ます」

 近くに住む男性会社員(39)は、散歩の途中に訪れた。焼香台や花束をデジタルカメラで撮影し「秋葉原の様子を伝えたい」とツイッターに投稿した。

 事件で重傷を負ったタクシー運転手湯浅洋さん(61)は7日、都内で取材に対し「献花に行く予定はない」と話した。

 被害者を介抱していて刺され、後遺症から勤務していたタクシー会社を退社。今は別のタクシー会社で働くが、体調は優れない。最高裁で上告が棄却された2月2日、判決を見届けたその足で現場を訪れ、「一つの区切りを迎えたよ」と他の被害者に向け心の中でつぶやいた。

 湯浅さんは、公判の傍聴を続けたが、なぜこんな事件を起こしたのか、わからないままだ。それだけに加藤死刑囚が書いている手記を、執行までの間、書き続けてほしいと願う。「動機や原因を知る手がかりになるかもしれない。それが彼にできる最後の償いだ」(多田晃子、遠藤雄司)