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 「息子」ではなく「娘」を装い、高齢者から現金をだまし取る「ワタシワタシ詐欺」が首都圏で出始めている。「オレオレ」で多い会社の金の使い込みではなく、「株で失敗した」など個人的なことを名目にすることが多い。警察は「女性の声でも油断しないで」と注意を呼びかけている。

 「お金を返さないと捕まる」。東京都北区の70代の女性方に4月、長女を名乗る女から電話があった。「銀行から金を借りて株を買ったが、会社と連絡がつかなくなった」と言い、近くの駅前まで現金を持っていくよう求めた。女性は、弁護士の秘書を名乗る男に500万円を手渡した。その後、長女に連絡し、だまされたと気付いた。

 警視庁によると、娘や妹をかたる詐欺事件(未遂を含む)は今年に入り、今月1日までに都内で少なくとも13件発生。計2500万円がだまし取られた。犯罪抑止対策本部の担当者は「統計はないが、実感として増えている」と話す。埼玉県内でも同様の電話が9日までに12件、神奈川県内でも1件あった。いずれも未遂に終わっているという。

 ほぼ共通しているのは、「会社の金を使い込んだ」など、勤務先とのトラブルを訴えることが多い「オレオレ詐欺」に対し、「ワタシワタシ詐欺」は株のほか「友人から金を返せと言われている」など個人的な事情をかたることが多いという点だ。担当者は「詐欺グループは手を替え品を替え、何とかだまそうと必死。『娘』だから詐欺ではないと思わないで」と注意を呼びかける。