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 衆院憲法審査会が11日開かれ、安倍政権が成立を目指す集団的自衛権の行使容認を盛り込んだ安全保障関連法案をめぐって与野党が議論した。与党側は、前回の審査会で憲法学者3人が関連法案を「憲法違反」と指摘したことに反論。民主や共産は政府・与党の「合憲論」を改めて批判した。

 4日の参考人質疑では、自民推薦の参考人として出席した長谷部恭男・早大教授ら憲法学者3人全員が、集団的自衛権の行使について「従来の政府見解の基本的な論理の枠内では説明がつかない」などとして、憲法違反だと指摘した。

 これに対し、法案の与党協議を主導した自民の高村正彦副総裁は11日の審査会で、「安保環境が大きく変化している中、必要な自衛の措置が何か政府、国会として不断に検討していく必要がある」と憲法違反にはあたらないと反論した。

 高村氏はその上で「固有の自衛権」があると言及した1959年の砂川事件の最高裁判決を引用し、「最高裁は必要な自衛の措置はとりうるとしている。何が必要かは時代によって変化していく」と強調。「自衛の措置が何であるか考えるのは、憲法学者ではなく我々政治家だ」と主張した。

 公明の北側一雄副代表も、砂川事件判決や自衛権を認めた72年の政府見解を取り上げ、法案の合憲性を主張した。

 一方、民主の枝野幸男幹事長は、「長谷部氏は自民党が推薦しており、(指摘を)重く受け止めるべきだ」と強調。砂川判決についても「集団的自衛権の可否は裁判で全く問題になっていない。論理の一部をつまみ食いして行使が可能だと導くのは、法解釈の基本に反する」と訴えた。また、戦前に大日本帝国憲法の下で天皇機関説を唱えた憲法学者の美濃部達吉氏が弾圧された歴史に触れて「その後の統帥権独立の拡大解釈などへとつながって、国を滅ぼす一歩手前まで進められた」と述べ、今回の憲法学者3人の発言を非難する与党側の姿勢を批判した。

 共産の赤嶺政賢氏も「砂川判決は最高裁が統治行為論をとって、憲法判断を避けたものだ」として、政府の見解は「反論になっていない」などと述べた。(渡辺哲哉)

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