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 神戸市で1997年に起きた連続児童殺傷事件の加害男性(32)=事件当時14歳=が「元少年A」の名で書いた手記が刊行されたことを受け、殺害された土師淳君(当時11)の父、土師守さん(59)が12日、出版社に手記の回収を求める申入書を送った。土師さんの代理人弁護士が明らかにした。「出版は遺族に重大な二次被害を与え、正当化する余地はない」としている。

 申入書はA4用紙3枚。土師さんは「遺族は、最愛の子が殺害された際の状況について、18年を経過した後に改めて広く公表されることなど望んでいない」とし、「精神的苦痛は甚だしく、改めて重篤な二次被害を被る結果となっている」と批判。「加害者側がその事件について、手記等を出版する場合には、被害者側に配慮すべきであり、被害者の承諾を得るべきである」と指摘した。

 代理人弁護士は取材に対し「出版差し止めに向けた法的手段をとるかについては未定」としている。手記を出した太田出版は「申入書が届いていないのでコメントは控えたい」とした。(佐藤啓介)