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 中国外務省は16日、南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島で中国が続けている岩礁の埋め立て工事について、「近く完成する」との報道官コメントを発表した。米国や周辺諸国とのあつれきが強まる中、埋め立てを拡大させない姿勢を示す狙いとみられるが、埋め立て地での建設工事は続けるとしている。

 陸慷報道局長のコメントで「関係部門によると、南沙諸島での建設工事は計画に従い、陸上部分での埋め立て工事が近く完成する」とした。中国が政治的に敏感な工事の工期を対外的に公表するのは異例で、当面は埋め立て範囲を広げないとの姿勢を示すことで事態のエスカレートを避ける狙いがあるとみられる。

 中国による埋め立ては、批判と圧力を強める米国や周辺国との大きな火種になっている。来週、米国で米中戦略・経済対話が始まり、9月には習近平(シーチンピン)国家主席の訪米も控える中、中国指導部は国内で弱腰と批判されない範囲での事態収拾の道を探り始めた模様だ。

 コメントは埋め立てについて「中国の主権の範囲内」の問題で「批判されるいわれはない」と主張。埋め立て地で施設の建設は続けるとして、実効支配で譲るつもりはないとの姿勢を示した。(北京=林望)