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 大手機械メーカー・クボタ(大阪市)が大阪国税局の税務調査を受け、約2億6千万円の所得隠しを指摘されたことがわかった。海外の子会社に支払った「奨励金」を経費に計上する時期をわざと早め、所得を少なく見せかけたと認定された。経理ミスによる所得の申告漏れも2014年3月期までの3年間で約3億円あり、同社は重加算税を含め約2億7千万円を追徴され納付したという。

 関係者によると、問題とされたのは、クボタが13年1月以降、農業機械など自社製品の国外販売を担う欧州の子会社数社に支払った奨励金の会計処理。この金は、クボタから製品を仕入れた子会社が現地の代理店に商品を卸す際の値引き分にあてたり、代理店の販売実績に応じて渡すボーナスの原資にしたりしているという。

 クボタは、各子会社が将来の販売計画で示した必要経費をもとに奨励金の額を算定。これを経費として計上できるのは費用の発生時点で、今回の場合、子会社が実際に奨励金を使った時点となる。だが、同社は子会社への出荷時点でこの金を経費に計上していた。この会計処理について、国税局は「将来に計上すべき経費を前倒しし、故意に利益を圧縮した」とみなし、所得隠しと認定したという。

 クボタは朝日新聞の取材に「経費計上時期のずれで、所得隠しではない。国税局とは見解の相違があるが、税務処理上の不備があったのは事実。指摘に従い、納税した」と説明している。

 クボタは1890(明治23)年創業。10年前、兵庫県尼崎市の旧工場周辺で住民へのアスベスト(石綿)被害が発覚し、問題になった。近年は円安を背景に輸出で業績を伸ばし、15年3月期の営業利益は過去最高の2041億円に達した。(釆沢嘉高)